この美しさをなぞりたい

林 葉月が見た世界、描き記す絵と言葉

「森田雄三の演劇ワークショップ」に参加して②

京都の自宅を出て2時間。
神戸の新開地に向かう。
電車で来て神戸に降りたのもほぼ初めてだし、新開地という場所がどんなところなのか全く知らない。
生まれは東京、育ちは仙台。5年前な越してくるまで関西圏に親戚も友人も全くおらず何の縁もなかったので、関西の土地勘がいまだに全くない。

11時過ぎに神戸アートビレッジセンターに着いたら、ほぼ誰もいなくてスタッフの人が準備をしている。あれれ?と思いながら、おそるおそる話しかけると、ワークショップは12時から、とのこと。知らなかった。完全に11時からだと思い込んでいた。仕方ない。外へ出て散歩。

新開地には、ゆるいハワイアンが流れていた。大衆演劇の劇場があり、小さな店は8割くらい呑み屋だ。喫茶店にでも入って、アイスティでも飲もうと歩くけど全く喫茶店がない。雨がポツポツ降り始めたので、もう諦めて戻ろうと思った時、一軒の喫茶店が目に付いた。カランとドアを開け入ってみると、客は1人もいないし、店内の空気が丸ごと完全にションベンくさい。マスターはレジのないレジ台で、小銭を数えていた。「12時までやけど、よろしいか?」と言われ「引き返すチャンス」と頭をかすめたが、こんなことでもなければ、絶対に入らないだろうと思い直し「大丈夫です」と言ってしまった私は、窓際の席についた。メニューを眺めると11時までモーニングセットを出していたようだ。11時までモーニングやってる店が12時に閉まるとか、そんなことあるんだ。私の知らない世界。アイスティを注文して、まあ、本でも読むかとテーブルに手をつくと、ペタペタしている。うう…と思い、少しもたれると、椅子の背もたれも、ペタペタしている。
運ばれたアイスティをチューと吸うと、鼻から嗅がれてしまうションベンくささと口の中で混ざり、アイスティがアイスティの味ではない。いやアイスティはアイスティの味なんだけど、鼻から入ってくるションベン臭がアイスティの邪魔をする。マスターはこの匂いに慣れ過ぎていてもう何も感じなくなっているのかな?スゲーな。と思いながら店内を眺める。
東京にいた時に、自然派育児系の有名な小児科医を訪ねていった時も、この匂いがしたなぁ、と思いながら、自分がアイスティを飲み終えてくれるのを待っていた。だけど、アイスティはなかなか飲み終えられない。こういう時に、鼻が敏感だと本当に辛い。中華屋のデザートを頼むと冷蔵庫の匂いがして食べられなかったりする。
半分くらい飲んだあたりで、私何してるんだろう?という気持ちがピークに達した。私の体は、アイスティなどもうどうでもよくて、一刻もこの匂いから抜け出したい!と私に訴えていた。
目の前に、半分も残したアイスティ。すまぬ、お主に非はない、さらば。と席を立ち、マスターにごちそうさまでしたと告げ小銭を渡し、店を出た。

長い。演劇ワークショップにたどり着くまでが異常に長い。もはや何を書こうとして書き始めたのかもわからないし、そもそもこの内容ではこのタイトルは間違いだ。しかし、まあ、このように始めてしまったので、とりあえずこのまま、また続けて書くことにする。