この美しさをなぞりたい

林 葉月が見た世界、描き記す絵と言葉

あきらめなかった

甘夏ハウスで食器を片付けていたら

棚の隙間から細いねぎみたいなものが見えたので

 

「あれ?私、こんなところに細ねぎ落としてたのかな?」

 

と思って、拾ってみたら、小さい玉ねぎでした。

 

小さな干からびた埃まみれの玉ねぎは

去年、もらった玉ねぎの種類だったから

 

一年間ずっと棚の下にいたってことです。

 

ほそーくながーく20センチ以上

 

葉を伸ばして。

 

 

暗い室内の埃にまみれて

 

少しずつすこーしずつ

 

成長してきた

 

誰にも知られることなく

 

誰にも気づかれることなく

 

水も土もない場所から

 

少しずつ葉を伸ばして

 

いつか立派な玉ねぎに

 

なれるとも限らなくても

 

このまま腐って死ぬよりはマシ

 

と思ったかどうかは知らない。

 

 

だけど、その諦めなさ

 

ひたむきな生命力に

 

胸を打たれて

 

泣きそうになった。

 

しばらくぼうっと眺めてから

 

ごめんね!と思って慌てて

 

庭に連れて行き

 

指で少し掘って土をかけた。

 

 

せめて、ここで、少しでも

 

ちゃんとした玉ねぎみたいに

 

日を浴びて、水を吸い、土に潜って

 

暮らしてね。

 

 

 

諦めなかった玉ねぎに

 

幸あれ

 

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